ついにキューバで野球観戦その2~モレホン夫妻~
今回のキューバ行きを決心したのはフランク・カミロ・モレホン選手に負うところが非常に大きい。
Frank Camilo Morejon(フランク・カミロ・モレホン)
キューバ国内リーグの最高峰Serie Nacional de Béisbol(セリエ ナシオナル デ ベイスボル)のLeones de Industriales(レオネス・デ・インダストリアレス)の正捕手。
キューバを代表する名捕手である。
侍ジャパンマッチ2012や2013年と2017年のWBCキューバ代表でもあるので、記憶に残っておられる方もあるだろう。
2016年にはカナダのチームでプレーし、2018年にはイタリアのチームでもプレー。
ハバナの空港に迎えに来てくれたミゲルさんの口からも真っ先に名前があがった。
キューバでは絶大な人気を誇る選手の1人である。
そんな選手から「キューバに来れば、何でもサポートするよ。」なんて言われれば、これはもうキューバに行くしかない。
ところが、筆者がキューバに行くのは日本時間8月9日~13日。
その時モレホン選手はまだイタリアリーグの期間中でキューバに帰国していないと言う。
筆者が旅程を伝えると「それなら、妻にサポートしてもらおう。」との申し出が…。
彼の奥様は
Yalennis Castillo(ヤレニス・カスティージョ)
数々の国際大会で活躍したキューバを代表する女子柔道選手。2008年の北京オリンピック78㎏級の銀メダリストである。

モレホン夫妻は日本でいえば、オリックスと巨人で活躍した谷佳知選手とヤワラちゃんこと谷亮子夫妻のようなご夫婦である。
そのモレホン夫人、ヤレニスさんが案内してくれるという。
筆者は日本の野球関係者でも記者でもない、一野球ファンだ。
まるで狐につままれたような俄には信じられないような話である。
モレホン選手はわざわざ日本からキューバの野球を観に来るという日本人に、ハバナのチームと選手たちのことを知ってもらおうとサポートを申し出てくれたそうだ。
実はこの旅行では日本人のQさんにもたいへんお世話になった。
Qさんはスペイン語も堪能でキューバの野球界にもたくさんの知人がいるという心強い助っ人だ。
偶然ハバナに滞在中ということで2日間同行していただいた。
試合がナイターだったのでQさんにハバナの旧市街をブラブラ案内してもらった。









待ち合わせの時間になりヤレニスさんが自家用車でホテルの前まで迎えに来てくれた。
クルマから降りてきたヤレニスさんに初めて対面した時、彼女が発する眩しいようなオーラと気品に圧倒されて恥ずかしながらまともな挨拶も出来なかったように思う。
「エアコンをつける?それとも窓を開けましょうか?」と気遣ってくれる。
少しでもハバナを感じたかったので窓を開けてもらった。
心地よい風を浴びながら南国の空気を満喫していると、いよいよついにLeones de Industrialesの本拠地
Estadio Latinoamericano(エスディオ・ラティーノアメリカーノ)
の威容が見えてきた。

Estadio Latinoamericano(エスタディオ・ラティーノアメリカーノ)
最大収容人数55,000人を誇る、ラテンアメリカの野球場の聖地である。
思わず「おぉっ!」と声をあげた筆者にヤレニスさんが笑う。
ついにここまで来た…。
しかもチームのスター選手の奥様(なんとオリンピックのメダリスト)の運転するクルマで…。
自分は夢をみているのではないか…。
この後も信じられないようなことが次々と…。